5.4. RDSサーバ 別立て/追加 インストールガイド

5.4.1. 本資料について

本資料は、Ericom Connect(以下Connect)環境に、RDSサーバを環境構築し、アプリケーション(Wordpad)を仮想化環境に公開するまでの手順です。詳細な設定は「管理者ガイド」をご参照ください。 本資料は、あくまで、簡易的に環境を構築することに重きを置いておりますので、手順の前提環境に則る記載になっている点はご容赦ください。

本項で使用するサーバ環境

  • Connectサーバ
    • マシン名 … EC01(任意)
    • ドメイン … cv.local (任意)
    • Grid名 … EricomConnect7
  • RDSサーバ
    • マシン名 … RDS(任意)
    • ドメイン … cv.local (任意)
  • 仮想PC(VDI)
    • マシン名 … VDI_W10(任意)
    • ドメイン … cv.local (任意)
  • Active Directoryサーバ
    • マシン名 … cvad01(任意)
    • ドメイン … cv.local (任意)

使用環境について

本資料は、Connectサーバとは別にRDSサーバを構築する際の手順になっています。 なお、最小構成での構築をしたい場合には、ConnectサーバとRDSサーバを同居させることも可能です。

1台のサーバにConnectサーバとRDSサーバを同居させる場合の手順は、「Connect・RDS1台同居 インストールガイド」の資料も併せてご確認ください。 簡易インストール手順としての位置づけのため、冗長化を考慮した環境構築手順にはなっておりません。 冗長構成を行う場合は「Connectサーバ追加ガイド」をご確認ください。

本資料では、ConnectサーバとRDSサーバのそれぞれの環境で設定を行います。

※ 「事前準備」で必要となる設定は、あらかじめ実施しておいてください。

5.4.2. RDSの導入

リモート デスクトップ ライセンス サーバーのアクティブ化

  • 本章では、[RDS] (ここでは192.168.161.82の)サーバにて作業を実施します。
  • 新規でライセンスサーバーを構築した場合は、次の手順でサーバーのアクティベーションを行う必要があります。
  • アクティベーションをすることで評価を目的とした120日間の一時ライセンスが使用可能となります。 また、購入したRDSCALを適用する場合もアクティベーションが必要です。
  • 今回は、[RDS] (ここでは192.168.161.82の)サーバーのローカルにライセンスサーバーの機能も持たせたため、新規構築扱いとなります。既に他のサーバにライセンスサーバーをインストールし構成している場合は、後述の「リモート デスクトップ セッション ホストの設定」の設定に進んでください。
  1. リモートデスクトップライセンスサーバーを有効化します。[コントロールパネル] - [管理ツール]-[リモートデスクトップサービス]-[リモートデスクトップ ライセンスマネージャー]を起動します。
connectrdsdiff-01
  1. 対象となるサーバを右クリックし、[サーバーのアクティブ化]を選択します。
connectrdsdiff-02
  1. [次へ]をクリックします。
connectrdsdiff-03
  1. [接続方法]画面にて、任意の接続方法を選択します。ここでは[自動接続]を選択し、[次へ]をクリックします。なお、自動接続は[RDS] (ここでは192.168.161.82の)サーバからインターネットに接続できる環境が必要です。
connectrdsdiff-04
  1. 会社についての情報を入力し、 [次へ]をクリックします。
connectrdsdiff-05
  1. [次へ]をクリックします。
connectrdsdiff-06
  1. アクティブ化が正常に完了すると、確認画面が表示されます。 [ライセンスのインストール ウィザードを開始する]のチェックを外し(※)、[完了]をクリックします。
    ※ ライセンスを適用しない場合評価を目的とした120日間の一時ライセンスが使用可能となります。 本番用のライセンスを適用する場合はチェックを入れたままウィザードを進めてください。
connectrdsdiff-07
  1. サーバがアクティブ化したことを確認し、画面を閉じます。
connectrdsdiff-08

リモート デスクトップ セッション ホストの設定

  • 本項では、[RDS] (ここでは192.168.161.82の)サーバにて作業を実施します。
  • ここでは、RDSホストの設定としてライセンスモードの指定とライセンスサーバの指定をします。

※ 「事前準備」の「Windowsコンポーネントの変更と追加」の項番28~33までの設定をあらかじめ実施しておいてください。

  1. 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
connectrdsdiff-09
  1. [gpupdate /force]コマンドを実行し、実行結果にエラーが無いことを確認します。
connectrdsdiff-10

参考

前述「リモートデスクトップセッションホストの設定」にてローカルグループポリシーで設定が出来なかった場合に、ローカルグループポリシーの代わりにPowerShellでライセンスモード指定とライセンスサーバの指定が可能です。

[RDS] (ここでは192.168.161.82の)サーバにて作業を実施します。

  1. [Windwos PowerShell]を起動します。
connectrdsdiff-11
  1. リモートデスクトップライセンスモードを指定するために、以下コマンドを実行します。
    (gwmi -Class Win32_TerminalServiceSetting -Namespace root\cimv2TerminalServices).ChangeMode(4)
    ※ ここでは[接続ユーザー数モード]に設定しています。[接続デバイスモード]の場合はChangeModeを[2]に設定します
connectrdsdiff-12
  1. 実行結果にエラー等がないことを確認します。
connectrdsdiff-13
  1. リモートデスクトップライセンスサーバーを指定するために、以下コマンドを実行します。
    (gwmi -Class Win32_TerminalServiceSetting -Namespace root\cimv2\TerminalServices).SetSpecifiedLicenseServerList("<IP アドレス>")
connectrdsdiff-14
  1. 実行結果にエラー等がないことを確認します。
connectrdsdiff-15

5.4.3. RemoteAgentのインストール

本項では、[RDS](ここでは192.168.161.82の)サーバにて作業を実施します。

RemoteAgentには、RDSサーバ/VDIのエージェント機能も含まれます。

RemoteAgentインストーラでRemoteAgentとAccess Serverの両方がインストールされます(別々にインストールすることはできません)。

Access Serverは、AccessPad(Blaze通信)やAccessPortal(Access Now通信)を行うために、接続先にインストールするモジュールです。

RemoteAgentのモジュールは、インストールメディア内からコピーしてインストールしてください。

RemoteAgentのアンインストールはコントロールパネルの「プログラムのアンインストールまたは変更」から行います(RemoteAgentとAccess Serverは別々にアンインストールできません)。

  • 本項では、[RDS] (ここでは192.168.161.82の)サーバにて作業を実施します。
  • ここでは、RDSホストの設定としてライセンスモードの指定とライセンスサーバの指定をします。
  1. RDS(ここでは192.168.161.82の)サーバー上で、[EricomConnectRemoteHost_x64.exe]を実行します。
    ※ 32bit OSの場合は[EricomConnectRemoteHost_x86.exe]を実行します。
    注意)[.NET Framework 4.5.2 Features]以上がインストールされている必要があります。
    未インストールの場合はインストールしてください。インストールメディア内の以下フォルダにインストーラーがございます。
    [.NET Framework 4.5.2]フォルダ
connectrdsdiff-16
  1. [Next]をクリックします。
connectrdsdiff-17
  1. [I accept the terms in the license agreement]にチェックを入れ、[Next]をクリックします。
connectrdsdiff-18
  1. インストールコンポーネントは変更できないため、そのまま進めます。 [Install]をクリックします。
connectrdsdiff-19
  1. インストール完了画面が表示されたら、[Finish]をクリックします。
connectrdsdiff-20
  1. Ericom Connect Remote Agent Configurationが自動で表示されたら、Connectサーバ導入時に設定したグリッド名 [Grid Name]を設定します。[My Host or IP] は自身のRDSサーバIPであることを確認し、[Lokup Service Hosts]は全てのConnectサーバのIPアドレスをカンマ(,)区切りで設定してください。
    ※ 9.x以降では、[My Hostname or IP]及び[Lookup Service Hosts]には、ホスト名ではなくIPアドレスを設定することが推奨されています。また、9.2以降では、IPアドレス以外を設定して進めた場合、警告が表示されます。
    (9.x以降では、複数のConnectサーバが存在する場合、[Lokup Service Hosts]には下記[注意]の通りカンマで区切ってConnectサーバアドレスを記入してください。8.xでは、ConnectサーバとRemoteAgent Type1サーバを同一セグメント内に構築する限りにおいては、空欄でも問題ありません。)
    ※ Grid名はConnectサーバの「Ericom Connect Configration Tool」で確認できます。
connectrdsdiff-21

注意

2台目以降のConnectサーバを別セグメントに構築される場合[Lookup Service Hosts]には、[自分自身のIP],[他サーバのIP]の順番でConnectサーバのIPアドレスをカンマ(,)区切りで記述します。
(例)1台目:「192.168.100.1,192.168.200.1」
2台目:「192.168.200.1,192.168.100.1」
※[Lookup Service Hosts]の内容は、同一Gridに参加しているマシンで、可能な限り均一に設定する必要があります。
 例えばConnectサーバ2台、RDSサーバ4台の6台で構成する場合、Connect1台とRDSサーバ2台が「192.168.100.1,192.168.200.1」、残り3台が「192.168.200.1,192.168.100.1」となるように設定します。
  1. メッセージ領域に設定したグリッドが発見され、サービスが起動(Starting service)したメッセージが表示されることを確認します。エラー表示がなければ[Exit]で終了します。 以上の作業でConnectのグリッドに[RDS] (ここでは192.168.161.82の)サーバが登録されました。
connectrdsdiff-22
  1. グリッドに[RDS] (ここでは192.168.161.82の)サーバが登録されているか確認します。Connect管理コンソールにログインして、ダッシュボードを確認します。[ダッシュボード]をクリックしサーバのステータスを確認すると[RDS] (ここでは192.168.161.82の) が表示されています。この[RDS] (ここでは192.168.161.82の)サーバの詳細を表示するには[接続サービス]で確認をします(次ページ)。
connectrdsdiff-23
  1. [サービス]をクリックすると、グリッドに接続されているサーバの一覧が表示されます。[RemoteAgentサービス]に追加した[RDS] (ここでは192.168.161.82の)サーバが表示されています。 ステータスが[実行中]になっていることを確認します。[192.168.161.82]の行をクリックすると右ペインに、そのサーバの状況が表示されます。
connectrdsdiff-24

5.4.4. アプリケーションの公開設定

本項では、Connectサーバの「EC01」にて作業を実施します。

Connectで公開できるリソースは3つあります。ここでは一番ベーシックなRDSサーバを経由したアプリケーションの公開手順について紹介します。

今回は、Paint(MSペイント)を公開する手順を紹介します。

  • [参考] Ericom Connectで公開できるリソースの種類

    • アプリケーション (アプリケーション追加)
      • 1種類ずつアプリケーションのexeをまたはショートカットを指定する基本的な設定方法
      • 公開対象はアプリケーションやドキュメント、URLなど
    • RDSサーバデスクトップ (デスクトップ追加)
      • RDSサーバのデスクトップをマルチユーザで利用するための方法
    • VDIデスクトップ (デスクトップ追加)
      • 既存のVDI用VMや物理PCを利用するための方法

    ※ 現バージョンのConnectでは仮想デスクトップのOSを管理する機能は実装されていません。将来のバージョンに搭載される予定です。RemoteAgentを導入したWindowsOSをグリッドに参加させ、仮想デスクトップを公開する構成のみサポートしています。

  1. ブラウザからConnect管理コンソールにログオンします。[リソース]-[アプリケーション追加]をクリックします。
connectrdsdiff-25
  1. 今回は[選択したサーバからアプリケーションを選択]にリストされているサーバからアプリケーションを公開します。今回は<Search All Hosts(全てのホストを検索)>を選択します。
connectrdsdiff-26
  1. [サーバ]の欄に[EC01]と[RDS] (ここでは192.168.161.82の)のサーバのアプリケーションが表示されています。
connectrdsdiff-27
  1. 公開対象のMSペイントを選択します。[Paint]を[選択]をクリックします。
connectrdsdiff-28
  1. 公開した[Paint]のアイコンが表示されました。次に、このアプリケーションを使用するユーザを設定します。Connectではグループ単位にユーザ割り当てを行います。
connectrdsdiff-29
  1. 最初に[Paint]アプリケーションをグループに所属させます。「Connect・RDS1台同居インストールガイド」で作成した[01-ツール群]のグループに[Paint]アプリケーションを登録します。左ペインで[グループ]を選択し、[01-ツール群]-[リソース]タブから[グループに追加] をクリックします。
    新規グループに追加したい場合は、「Connect・RDS1台同居インストールガイド」をご参照ください。
connectrdsdiff-30
  1. [グループに追加]ウインドウの中の[Paint]アプリケーションを選択し、[追加]ボタンをクリックします。
connectrdsdiff-31
  1. [01-ツール群]グループに[Paint]アプリが追加されたことが分かります。
connectrdsdiff-32
  1. 追加したアプリケーションを使用できるユーザを割り当てます。Connectではグループに対してユーザ割り当てを行います。[ユーザ]タブをクリックします。すでに[01_ツール群]グループに[Domain Users]が割り当てられています。
connectrdsdiff-33
  1. [user02]というユーザを追加します。[タイプ別(*)にアイテムを検索]欄で[ユーザ]を選択します。
connectrdsdiff-34
  1. [user02]というユーザを追加しますので、検索フィールドに[user02]と入力してから虫眼鏡アイコンをクリックします。[user02]が含まれたユーザ名一覧から[user02]を選択して、[追加]をクリックします。
connectrdsdiff-35
  1. [01_ツール郡]グループにユーザ[user02]が追加されました。[Domain Users]に所属しているユーザと[user02]はMSペイントが使用できるようになりました。
connectrdsdiff-36

参考

  1. Connectサーバのデフォルト設定では、公開アプリケーションを起動する際にFQDNを使用して接続します。クライアント端末側で名前解決ができない場合は、新規追加したホストを選択し、[システム]-[ホスト]の[設定]タブより、「RemoteHost接続に使用するアドレス」を「静的IPアドレス」に変更します。
connectrdsdiff-37
  1. 「スキャンコードの有効化」が未設定の場合。左側メニューから[設定]-[デフォルト]から[詳細]タブを選択しスクロースさせ、設定項目一覧から「スキャンコードの有効化」を[はい]に変更します。変更後[保存]をクリックし保存します。
    ※ 「Connect・RDS1台同居インストールガイド」を参照しConnectサーバを構築された場合は、本設定は既に実施されております。
    ※ 有効化しない場合「半角/全角」キーなどが利用できないため、必ず設定してください。
connectrdsdiff-38
  1. AccessPortalの表示言語とキーボードローケールが未設定の場合、左側メニューから[設定] -[設定]をクリックして、右ペインの[セカンダリ設定]タブを選択し、設定を行います。
connectrdsdiff-39
  1. 右ペイン内をスクロールして、 [Access Portalの言語]と[Access Portal キーボード]に[ja-jp]と入力し、[保存]をクリックします。
    ※上記の項目を空白にして[保存]をクリックすると、他の言語の設定値が表示されますので、他の言語に設定したい場合はそちらをご参照の上、任意の言語に設定してください。
    ※本設定をすると、全ユーザの表示言語とキーボードロケールが日本語に設定されます。ユーザ毎に異なる言語を利用したい」場合は、次項目の接続時の手順で個別に設定してください。
connectrdsdiff-40