5.5. Connectサーバ 追加ガイド

5.5.1. 本資料について

本項は、 Ericom Connect(以下Connect)の既存グリッドに、Conenctサーバを追加するための手順書です。 あくまで、簡易的に環境を構築することに重きを置いておりますので、手順書の前提環境に則る記載になっている点はご容赦ください。

5.5.2. Connectサーバをグリッドに追加する前の確認作業

管理コンソールでの確認

  • 1台のサーバOSにConnectの全てのコンポーネントが導入されている状態を管理コンソールで確認します。
  • グリッドに、"管理Webサービス"、"ビジネスロジックサービス"、"エンドユーザWebサービス"の3つのサービスが接続されていることを確認します。
  • Connectサーバをグリッドに追加すると、これらのサービスが2つずつ登録されます。

注意

グリッドサービスはAnyポートを動的に使用する動作となっており、 グリッド間(Ericom Connectサーバ間)はAnyポートも含めて疎通が可能なようにポート開放する必要があります。

  1. Webブラウザで既存のConnect環境の管理コンソールににアクセスしログインします。
    https://ConnectサーバのIPアドレス:8022/admin
    左ペインの[接続サービス]をクリックします。
    "管理Webサービス"、"ビジネスロジックサービス"、"エンドユーザWebサービス"の3つのサービスが1つずつ接続されていることを確認します。
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5.5.3. Connectのインストール

OSへConnectサーバ本体と特定のコンポーネントのインストール

  • 既存グリッドに追加するConnectをOSにインストールします。
  • 既存のグリッド構築時にSQL Serverは構築済みのため、SQL Serverの導入は行いません。
  • Ericom Connect Secure Gateway と RemoteAgent の導入は行いません。
  • Connectのモジュールは、インストールメディアからコピーしてインストールしてください。

Connectの構成パターン(RDS、ダブルブラウザLinux)によって、Connectサーバ上にインストールするコンポーネントの種類が異なります。 「構成パターン別 Connect インストールコンポーネント 」を参照の上、環境に合わせてコンポーネントをインストールして下さい。

  1. Windows OSにConnectをインストールします。
    [EricomConnect.exe] を実行します。[Next]をクリックします。
    ※ Connect8.5以降の稼動には「.NET Framework 4.6.2」のインストールが必要です。Connectインストール前にインストールしてください。インストールメディア内の以下フォルダにインストーラーがございます。
    [.NET Framework 4.6.2]フォルダ
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  1. ライセンス規約を読み、同意した後、[Next]ボタンをクリックします。
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  1. インストールするコンポーネントを選択します。チェックする項目につきましては、「構成パターン別 Connect インストールコンポーネント 」を参考に、必要なコンポーネントをチェックして、 [Install]をクリックします。
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  1. インストール完了画面が表示されたら、[Finish]をクリックします。
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  1. 「Ericom Connect Configuration Tool」が自動で起動します。「Ericom Connect Configuration Tool」にて、[Join existing grid] をクリックします。
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  1. [Connect to Existing Grid]の[Grid]フィールドに既存のグリッド名を入力します。
    [My Host or IP]は追加しているConnectサーバ自身のIPアドレスであることを確認し、
    [Lokup Service Hosts]は全てのConnectサーバのIPアドレスをカンマ(,)区切りで設定してください。
    ※9.x以降では、[My Hostname or IP]及び[Lookup Service Hosts]には、ホスト名ではなくIPアドレスを設定することが推奨されています。また、9.2以降では、IPアドレス以外を設定して進めた場合、警告が表示されます。
    (9.x以降では、複数のConnectサーバを追加する場合には[Lokup Service Hosts]には下記[注意]の通りカンマで区切ってConnectサーバアドレスを記入してください。8.xでは、全てのConnectサーバを同一セグメント内に構築する限りにおいては、空欄でも問題ありません。)
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注意

2台目以降のConnectサーバを別セグメントに構築される場合[Lookup Service Hosts]には、[自分自身のIP],[他サーバのIP]の順番でConnectサーバのIPアドレスをカンマ(,)区切りで記述します。
(例)1台目:「192.168.100.1,192.168.200.1」
2台目:「192.168.200.1,192.168.100.1」
※[Lookup Service Hosts]の内容は、同一Gridに参加しているマシンで、可能な限り均一に設定する必要があります。
 例えばConnectサーバ2台、RDSサーバ4台の6台で構成する場合、Connect1台とRDSサーバ2台が「192.168.100.1,192.168.200.1」、残り3台が「192.168.200.1,192.168.100.1」となるように設定します。
  1. Connect の管理者アカウントとパスワードを要求するダイアログが表示されます。管理者アカウントとパスワードを入力し、[OK]ボタンをクリックします。
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  1. エラーメッセージが表示されず、メッセージ表示の最後に"*** Completed ***"が表示されたらグリッドへの追加が完了しています。 [Exit]ボタンをクリックして、Ericom Connect Configuration Toolを終了します。
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5.5.4. グリッド登録の確認

Connect 管理コンソールでの確認

  • ブラウザを使用して、Connectサーバの管理コンソールにアクセスし、グリッドに接続している[サービス]を確認 します。
  • 既存グリッドには作業前は1つずつのサービスしか登録されていませんでした。ここではグリッドに新しいConnectサーバを追加した結果の確認を行います。
  1. WebブラウザでConnect管理コンソールにアクセスします。
    https://ConnectサーバのIPアドレス:8022/admin
    左ペインの[サービス]をクリックし、Connectサーバをグリッドに追加したことでサービスが2つになっていることが確認できます(サーバIPが異なっていることも確認できます)。
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5.5.5. 複数Connectサーバ間でのデータ分散

グリッドに所属しているConnectサーバ内でデータを分散させます。

Connectサーバをグリッドに追加するだけでは高可用性の設定は完了しません。

最初にインストールしたConnectサーバのメモリ上のデータはConnectサーバをグリッドに追加するだけでは自動で分散されません。Connectサーバを2台以上で構成する場合は高可用性の設定を完了するために、ConnectのCONNECTCLIコマンドを実行する必要があります。

注意

グリッドサービスはAnyポートを動的に使用する動作となっており、グリッド間(Ericom Connectサーバ間)はAnyポートも含めて疎通が可能なようにポート開放する必要があります。

【解説】グリッドにConnectサーバを追加した直後の状態

以下の図は2台目のConnectサーバ(サーバB)をグリッドに追加した直後のConnectサーバのメモリ上のデータ保持状態を表しています。 最初にインストールしてグリッドを作成したサーバAはインストールの初期状態のままで、サーバBにはデータが分散されません。

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【解説】グリッドに対してCLIコマンドを実行後の状態

以下の図は2台のConnectサーバで構成されているグリッドに対してCLIコマンドを実行して、データが作成され分散された結果を表しています。 この図のように、レプリカのデータが作成されてサーバAに偏っていたデータがサーバBに分散され、どちらがダウンしても処理が継続できるようになります(プライマリのデータと、そのコピー(レプリカ)が分散されます)。

../_images/connectadd13.jpg

データを分散させるCONNECTCLIコマンドについて

使用するコマンド:CONNECTCLI SetGridParameters パラメータ

SetGridParametersのパラメータ:
パーティション数   バックアップ数   マシンごとのGSC数   マシンごとの最大インスタンス数

[パラメータの意味]
・パーティション数       : プライマリデータセグメント数(Connectのデータが収まる入れ物)
・バックアップ数        : レプリカ数(プライマリデータセグメントのコピーの数)
・マシンごとのGSC数       : コンテナ数(データセグメントが入る枠の数)
・マシンごとの最大インスタンス数

コマンド例 : CONNECTCLI SetGridParameters 1 1 2 1

SetGridParameters実行前にグリッドの状態を確認

グリッドに所属しているConnectサーバのコマンドプロンプトを実行します(どのConnectサーバで実行しても同じ結果になります)。 ConnectサーバでDOSコマンドプロンプトを実行します。 DOSコマンドプロンプト上でCONNECTCLIのプログラム(.exe)が存在するフォルダに移動するかシステム環境変数に実行パスを設定して使用してください。

<CONNECTCLI.exeの場所>

C:\Program Files\Ericom Software\Ericom Connect Configuration Tool\

2台のConnectサーバでグリッドが構成された直後のグリッド情報を表示します。

[実行コマンド]

CONNECTCLI GridInfo

../_images/connectadd14-2_ecn92.jpg

SetGridParametersの実行

グリッド上のConnectサーバ間でデータを分散させます。 下記コマンドを実行することで1台目のConnectサーバのデータが2台の間で分散保持されるようになります。 このコマンドにより、同じ数のユーザ数を処理できるだけでなく2台のうちのどちらか1台がダウンしても処理を継続できます。

[実行コマンド]

下記の実行例はCONNECTCLI SetGridParameters 1 1 2 1 を実行している例です。

例) CONNECTCLI SetGridParameters 1 1 2 1 (管理者アカウントとパスワードを要求されます)

コマンド実行後(画面最終行)に、「Continue?」と表示されますので「y」(Yes)を押下し処理を続けます。

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※グリッドに追加する予定のConnectサーバをすべてグリッドに追加してからコマンドを実行してください。

実行後、Gridを構成している Connectサーバ、RemoteAgentサーバをすべて再起動 してください。 再起動後、CONNECTCLI GridInfoを実行してデータが2台のConnectサーバに分散されたことを確認します。

※ 再起動後、グリッドが起動し利用可能となるまで数分の時間がかかります。暫くたってからコマンドを実行してください。

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参考

【参考】Connectのデータ保存モデルとSetGridParametersについて

このインストールガイドではConnectの検証環境を簡単に構築することを目的としていますので、Connectのデータ保存モデルとSetGridParametersの説明は省略しております。

可用性の検証を行う場合、コマンドの「CONNECTCLI SetGridParameters」パラメータのバックアップ数は1以上をご使用ください。2台のうちのどちらか1台がダウンしても処理を継続できます。

詳細は、「ConnectCLI リファレンス」の「グリッド・コンポーネントの構成」にある「CoonectCLI SetGridParameters」をご参照ください。

参考

RemoteAgent Type1とConnectサーバ間の通信については、こちら をご確認ください。